2012年12月16日日曜日

エピソード13.1~ちなみに今は交際中みたいデス~

 意識の高い系なそのプロジェクトで僕は、大して仕事をしていなかった。。。たぶん、あまりに使えないため何かを任せられる状態に無かったからだと思う。。それでも会社でもないしクビということにはならず、社内ニートみたいな感じでプラプラしながら会議だけ出て話の合う先輩と談笑するだけという極めて迷惑な存在となり果ててしまった・・・



 そんなこんなで話はすっとび、プロジェクトは終わった。結局は何かに所属してみても役割を与えらず自分は使えないやつだなあなどと再認識し、シューカツに対する自信がより一層失われただけかというと、実は違った。



 こんな僕だが、密かに狙っていたアノ子と一緒に作業をしたりして、交流を深めていたのだ。いや、小動物系のニコニコ顔な彼女からしてみたら交流をした内にすら入っていないのかもしれないのだが、人間とセッションを確立する機会が極めて少ないこの孤独な男にとっては数少ない大事な交流だった。スリーウェイハンドシェイクは成立していた。



 プロジェクトが終了して、最後のまとめのような会議で来年への引き継ぎ作成などを終えたあと、帰る方向が一緒のその子と二人で途中まで電車だった。ここでもう終わってしまい何もなくなるのかどうかの岐路に立たされていた矢先、辛うじて情けなくはあるが誘いをかけることが出来た。



「あの~ちょっとお茶でもして頂けないでしょうか?話す人もいないしさびしくなってしまうので」



 こんな感じのなんともショボくもっと違う誘い方があるだろうとつっこまれそうになる誘いしかできなかった。これは断られて寂しく終了してしまうのだろうか?・・・・と絶望しかけたところで、


「え~w いいですよw」




 なんと、奇跡的にOKをもらうことが出来たのだった。この無気力無能で使えない人間が一念発起して意識の高い学生が集まる系プロジェクトに参加してよかったぞと、自分の行動は無駄ではなかったぞと、ここで熱くこみあげてくるものがあり達成感があった。。。



 そしてデートというか、お茶当日、ドキドキしながら某駅の改札前で待っていた僕の目の前に、そのちっちゃくてかわいい子は現れた!!僕は舞い上がってしまいすべてうわの空で別れるまで何を喋ったかなんて覚えちゃいなかったが、覚えているのはどうにも、僕と彼女でまるで接点が無いという気がしたことだった。何だか、全然違う世界に住んでいる者同士で本当に共感できるような部分が一切なかった。宇宙人のように感じてしまった。向こうも僕のことをそう思っているのかもしれないが。。。別れ際、僕の前を歩いていた彼女をギュッと抱きしめたくなった。しかし逮捕されるリスクを回避するために辞めておいた。



 そしてもう一度誘ったが二度目は来てくれなかった。



 今、そのこはイケメンでコミュ力の高い意識の高い系な男と交際をしているようだ。彼女は人の悪口を言わないし性格も良い子なので、幸せになってほしいと思う。ヘンな奴で汚してはダメな子だ。。。本当に。

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